My Journey to be a Jeweler

NY・ロンドン・アントワープ、ジュエリー留学と移住の記録

フーケショップ@カルナヴァレ美術館(パリ市歴史博物館)訪問レポ

こんにちは、綾野です。

先日ようやっと念願のカルナヴァレ美術館(別名:パリ市歴史博物館)内にあるフーケ・ショップを訪れることができました!7年越しでの実現、嬉しい〜!!

こんな優美なお店でフーケによるアール・ヌーヴォージュエリーを買うことができたら…かー!前世は100年前の富豪であって欲しいもんだぜ!と妄想膨らむ夢空間でございました。

このドリームランドを写真と小ネタ満載でご紹介させていただきます。

フーケ・ショップとは?

20世紀初頭のパリで活躍したジュエラーGeorges Fouquet(ジョルジュ・フーケ / 1862–1957)。当時はアール・ヌーヴォー最盛期、自然モチーフを用いた優美でドリーミーなジュエリーを展開し人気を博しました。

満を持して1901年にコンコルド広場近くのロワイヤル通り6番地にオープンした今風でいうところのフラッグシップショップ、インテリアデザインを手掛けたのはなんと日本でも大人気の Alphonse Mucha (アルフォンス・ミュシャ / 1860–1939)。ミュシャとフーケはジュエリー制作ですでに多数のコラボ実績があり、その経験をふまえての依頼だったとのこと。ここまで至高のコラボ案件は現代でもなかなかなくない?生まれる時代間違えたわ。

1923年、アール・ヌーヴォーは時代遅れになり(アール・デコが勃興)こちらの内装は解体されてしまいましたが、ミュシャのクリエーションを尊重していたフーケ本人によって大切に保管され、1941年にこちらの美術館に寄贈されたそうです。今ではレイアウトなど細部に至るまで可能な限り再現され常設されています。フーケ、グッジョブ〜!!!!!

カルナヴァレ美術館(パリ市歴史博物館)とは?

行きたいな〜と思ってから7年も時間がかかってしまったのは、このフーケ・ショップが常設されているカルナヴァレ美術館が、パリの他の豪華絢爛な美術館や企画展と比較するとやや地味というかお勉強チックというか…つまりは後回しになっていたのですが、いやいや、行ってみたらめっちゃ楽しかったですよ!ナメててすみませんです!

16世紀ルネッサンスの頃のパリのモデル(1900年頃制作)

www.carnavalet.paris.fr

こちらの美術館、古代から現代までのパリの歴史を辿ることができるようになっているんです。入館直後、石器時代の矢じりや丸木舟を見ると、『おしゃんなおパリにもこんな時代があったんやな…』となんとも不思議な気持ちに。

中でもフランス革命に関しては多くの部屋が割かれ、いかにフランスがかの革命を誇りに思っているかが体感できます。とはいえ、ジュエリー的には一部の人間に富が集中している時代が最盛期なわけでして…(気づいたらフランス革命展示の写真が一枚もない笑)宝飾の業を思わずにはいられません。

こちらの美術館公式サイトではパリの歴史とともに展示物の概要を見ることができます。気になった方はぜひ!

LE NOUVEAU PARCOURS | Musée Carnavalet - Histoire de Paris

ここからはとにかくフーケ・ショップを見せていくで

前段長くなりましたが(実際フーケショップは展示のかなり後半です)、紀元前から数千年のときを経ていよいよわれらがベルエポックのエリアにたどり着きます。

か〜!たまんね〜!!クラブでもディスコでもなくダンスホールこそ至高!

性癖ドストライクのブツが続くなか、いよいよフーケショップがそのお姿を現します。

あまりの再現具合、まるで百貨店の一角を占める実店舗のよう。ミュシャデザイン、Auguste Seysses (オーギュスト・セイス / 1862-1946)作の看板娘がおいでませ、とお迎えくださいます。この二人のコラボといえば、ベルギー世紀末美術館にあるナチュールが有名ですな。

お店の中に入り最初に目に飛び込んでくるのは2羽の孔雀。1羽は惜しげもなく羽根を広げ、もう1羽は高いところから悠然と下界を見下ろされております。(2026年の日本人はミャクミャクを想起してしまう)羽の光る目玉模様はゴージャスそのもの(いじってませんよ)。

孔雀の左右に配された4枚のステンドグラスがまた美。なのですが、なぜこのモチーフを選んだのか、選定理由がわからない…もしや春夏秋冬?と思ったのですがそうでもなさそう。教えてくれよミュシャさんよ(こういうのってAIにきけばわかるの?)。

次に目に止まるのは、入って右側の壁前にある噴水と身支度する女性の像。身支度といえば切羽詰まった時間との戦いでしかないのですが、今日からこの方のように身支度という行為そのものを楽しめるような余裕を持ちたいと感じずにはいられません(性格的に多分無理)。

他2面の壁にも大鏡が設置されているのですが、鏡周りに描かれた絵が全て違うというこだわり具合!人件費度外視のクレイジーさにきゅんとしてしまいます。

初見の興奮を落ち着かせ、じっくり観察していくと、ちょっとした調度品にもミュシャはんの美意識が炸裂していることに気づきます。

この写真に写っている丸いものは椅子…?もしやゴミ袋を取り付けたりする?(絶対違う)。美しすぎてもはや用途不明です。

いや〜最高。欲をいうならこのショーケースにフーケのジュエリーが展示されているところが見たかった…パリ市よ、観光でだいぶ稼いでるんちゃう?そのへんの富豪から買い付けて展示してくれへん?

 

ということで、写真内の高貴な展示品と下劣な文体の高低差に読んでくださった方が悪酔いする前に本レポを締めさせていただきます。このAI勃興の中、こちらのブログはいまだに自力で紡がせていただいております(チャッピーって日本独自のAIがあるんかと思ってたよ、ChatGPTのことなんかい!)。自分の旧石器時代ぶりに笑えつつ、頭に汗かいて書くことで得られるものがあれば、文体から醸し出るものもあるだろうとと、F*ck工業化/大量生産とでも言いたげなベルエポック期の気合いを感じる手仕事を愛する者は思うのであります。大変革の時代、世界情勢もヤバヤバで移民という不安定な立場では今後何かしら苦労もあるのかもとは頭をかすめつつ、生まれ持ったノーテンキさと大胆さで乗り切っていく所存です。いつも心に猪木、元気があればなんでもできる〜!皆様もどうかご自愛ください。だー!!!

 

参考

Bijouterie Fouquet — Wikipédia