こんにちは、綾野です。
#綾野ジュエリー図鑑2018
まとめ第八弾!
なんと最終回でございます!
今回はヨーロッパ各地の十字架に
焦点を当ててみます。
第七弾の民族ジュエリー同様、
各国の特徴が出ていて面白いのです・・・!
相変わらず推しはフランスのエナメルですが
ロシアも好きだな
お楽しみあれ〜!
ビザンチン帝国
118 cross(11〜12世紀ビザンチン帝国)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) April 28, 2018
117の原型ともなったビザンチン帝国の十字架。病気や不幸から身を守るためのお守りとして胸元につけられました。中心にはクロワゾネのメダリオンがついていますが元々は聖遺物が入っていたと考えられています。カボションのエメラルド。#綾野ジュエリー図鑑2018 pic.twitter.com/w6b4h6bROH
イタリア
083 Pendant cross(19世紀伊)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) March 24, 2018
イタリア女性はゴージャスなものが大好き。トスカーナ地方のカトリックのクロスもとても華やか。ガーネットにパール、花のパターン。1867年パリ万博にてイタリア人芸術家兼ジュエリー研究家のカステラーニのコレクションとして展示されたもの。#綾野ジュエリー図鑑2018 pic.twitter.com/08GJphJyCm
スペイン
119 cross(18世紀後半西)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) April 29, 2018
世界遺産かつスペイン3大カテドラルであるブルゴス大聖堂で知られるスペイン北部ブロゴスの十字架。下部のプレートに刻まれた‘de Burgos’は‘Cristo de Burgos’の意で広くスペインで崇拝される言葉。
銀線細工のクロスの各先端にはロゼッタキャップ。#綾野ジュエリー図鑑2018 pic.twitter.com/r4Abd1CwTA
113 Cross(19世紀西)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) April 23, 2018
金線細工で有名なスペイン・サラマンカ地方のバロック&シードパールを用いたペンダント。
カトリック教会が勢力をもつスペインは宗教改革後の復権活動の中心地となり、十字架といったキリスト教モチーフのジュエリーが多く作られています。#綾野ジュエリー図鑑2018 pic.twitter.com/Al6qypuAJ4
172 Pendant cross(19世紀西)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) June 21, 2018
スペイン・バレンシアのクロス。スペインはカトリック勢力が強く、ジュエリーも多大な影響を与えています。スペイン、特にバレンシアで人気のグリーンのペースト。同様のデザインのものは現代でも有名な火祭りの際に身につけられるそう。
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ドイツ
079 Paternoster(15世紀後半独)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) March 20, 2018
死後の救済を求めて祈祷文を唱える際に回数を数えるのにビーズが使われました。小さなビーズはAve Maria、大きなビーズは主の祈り(キリスト教のメインの祈祷文)、シルバーのチャームはキリストの受難。
ビーズは木、オレンジの石はアンバー。
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078 Rosary(18世紀後半伊&独)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) March 19, 2018
ガラスのビーズはイタリア・ムラーノ、メタルは南ドイツ産のロザリオ。ロザリオはキリスト教カトリックの祈りの道具で基本の形は共通ですが地域ごとに独自のデザインが発達。ビーズの間に通された手や足などのチャームはキリストの受難を表現。#綾野ジュエリー図鑑2018 pic.twitter.com/vojqUgXj5X
フランス
115 cross(19世紀前半仏)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) April 25, 2018
北フランス・ノルマンディーのサン・ローとつ街の女性が好んだことから"Croix de Saint-Lô"(クロワ・ド・サン・ロー)と呼ばれる十字架。別名カドリーユ(=格子状の)。5つの大きな石を基盤に網目状に広がるのが特徴。シルバーにクリスタルガラス。
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221 Necklace(1865-70年仏)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) August 10, 2018
フランス・ブルターニュ地方のクロス。ベルベットのリボンにハート型のスライド、ハトや星のアップリケでデコラティブな仕上がり。スライドは首回りのリボンとクロスをつけたリボンをつなぐ役割。ロンドン万博で展示されイギリスでも流行しました
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222 bracelet(1865-1870年仏)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) August 11, 2018
昨日ご紹介したネックレスと合わせてつけられたと考えられるブレスレット。1870年にイギリスでブルターニュ風のネックレスが流行した際に、合わせるものとして考案されました。ベルベットのリボンに金メッキ。
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094 Cross(1870年仏)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) April 4, 2018
フランス南東ブール カン ブレスはエナメルの街。地金に直接焼き付けるのではなくエナメルの飾り板を別につくり宝石のように留めるスタイル。パリを中心にヨーロッパ中に輸出されその地域のジュエラーに使われます。こちらはパリジュエラーPaul Ydot作。#綾野ジュエリー図鑑2018 pic.twitter.com/8lml2V6T3R
364 Cross(1875年仏)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) December 30, 2018
ブシュロン創始者Frédéric Boucheronから博物館が買い受けたクロス。
ゴールドに半透明のエナメルが施されていますが、これはブシュロンの下でこの技術を復刻させたCharles Riffaultによるもの。ブシュロンは才能ある職人集めることで成功。
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オランダ
114 cross(19世紀阿or白)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) April 24, 2018
フラマン民族(オランダ南部〜ベルギー北東部)のカトリックの女性のためのクロス。
アップリケと呼ばれる薄い金の板の装飾がついているのがこの地域の金線細工の特徴で、ロゼッタ(花)とコルヌコピア(豊穣の角)は典型的なオランダのモチーフ。
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ベルギー
354 Alter Cross(1250年欧州)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) December 20, 2018
中世、ベルギーを横断するムーズ川流域からライン川流域に至る旧リエージュ司教区にあたる地方で栄えた"モザン美術"の影響をうけた聖遺物箱の機能を有したクロス。先端はフルールドリスの形状でそれぞれエナメルがはめられています。
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190 Pendant(1830-69年白)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) July 9, 2018
伝統的なベルギーのジュエリー。3つのパーツに分かれ、金線細工にダイヤモンドのかけらがセットされています。カトリックの女性が身につけました。
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スウェーデン
116 Tau cross(1800年瑞)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) April 26, 2018
伝統豊かな南スウェーデン・スコーネの十字架。スウェーデンは16世紀にプロテスタントになったのちも中世の伝統を継ぎ、県ごとに独自の十字架をつくりあげました。tauはT-shapedの意。ルネッサンスモチーフの羽のエンジェル。Niclas Bleckberg作。
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スイス
321 Pendant(1750-1799年瑞)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) November 17, 2018
Deliとよばれる、スイスの中でもカトリックの州で一般的なペンダント。中心のガラスの両面に聖なるモチーフが描かれています。こちらは聖母子像、反対側はローマのラウレンティウス。主に女性がベルベットのリボンに通して首周りにつけました。
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ロシア
117 cross(19世紀露)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) April 27, 2018
1917年の革命以前、ロシア正教会の人々はクロスを日常的に身につけていました。ビザンチン様式を起源とし、ロシア正教会特有のキリル文字の文言とモチーフで複雑なデザイン。同じデザインをキャストするため年代の特定が難しいそうです。
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295 Pendant(19世紀露)
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) October 22, 2018
1917年の二月革命の前、ロシア正教会の信者は日常的にクロスを身につけていました。ビザンチン美術にルーツをもつ紋様、キリル文字の文言、ロシア正教会独自の図象で構成されています。キャストされたシルバーに色鮮やかエナメル。#綾野ジュエリー図鑑2018 pic.twitter.com/Soi3p22Y0r
※294の間違い
※画像や解説は以下より転用しております。
British Museum - Collection search
終わった〜〜〜〜〜〜!!!!!
たまに本企画をどうやってやっているのか
質問くださる方がいるのでタネ明かしをすると
主にロンドンのV&A美術館、
たまーに大英博物館のオンライン図録の
画像を拝借しつつ説明文を和訳するという
割と誰でもできることだったんです。あは。
(権利的にちょっと心配なんですけど
参照元を明記するようにはしている・・・)
こういうのって
無理ない範囲で継続できる
仕組み作りが大切だと思っていて
(一番困るのはネタ探し)
そういう意味で我ながら
よくできた企画だと思うので続けます❤️
#綾野ジュエリー図鑑2019
絶賛毎日更新中なので
是非ともツイッター
フォローくださいませ^^
001 Peacock Brooch(1867年
— 綾野/駆け出しジュエラー (@ayano_jewelry9) 2019年1月1日
フランス人ジュエラーGustave Baugrand作。ゴールドにダイヤ、ビルマ産ルビー、インド産エメラルド、セイロン産サファイアをはめ込んだ景気のいいブローチ。
この孔雀、羽が動くというから驚きです。
#綾野ジュエリー図鑑2019 pic.twitter.com/a4qFgSwFck