こんにちは、綾野です。
今回は素敵なカップルから結婚指輪制作のご依頼をいただきました。
結婚指輪といえば私は祖母のこの指輪をまず一番に思い浮かべます。こういうものを任せていただくんだといつも身が引き締まるのです。
祖母の結婚指輪。結納後、奈良の三笠山でデートしたときに買ってもらったんだって。
— Ayano | アントワープ在住ジュエラー (@ayano_jewelry9) 2019年1月16日
祖父が早くに亡くなり女手ひとつで2人の子供を育てるのは大変だったけど、この指輪だけは約70年文字通り肌身離さず身につけてる。
K14WGだけどとっても綺麗。
素材でもデザインでもないんだなぁ、結婚指輪は。 pic.twitter.com/XRphP2dlUK
今回もお二人らしさを含みながらいつまでも愛せる品格を備えた唯一無二の結婚指輪が仕上がったと自負しております。
ぜひご一読ください!
オーダー主さまと共同作業でできたデザイン
日本とアントワープ、距離こそ凄まじいですが、zoomやLINEなどを駆使してなるべく心の距離は近く感じられるような進行を心がけております。今回はお二人とのzoomミーティングからスタートしました。
お二人の好きなものや思い出、ファッションのお好みなどをお伺いした上で数案のアイディアをご提案させていただきました。
その中でお二人のとっても暖かで穏やかな雰囲気と『一緒にいるときはいつもくだらないことで笑っています!』というエピソードから想起した笑顔の口元をモチーフにする案をご採用いただきました。
そしてここからがすごいのですが、新婦さまのご職業がプロダクトデザイナーで、めちゃめちゃ素敵なデザインを描いてくださったのです!ゴイゴイすー!
(いやそれお前の仕事だろという声は一切受け付けません!!いいものができればなんだっていいんだよ馬鹿野郎!笑)
フルオーダーやコラボって自分一人で作っていては絶対に出てこないアイディアが出るから本当に楽しいです。
こちらの素晴らしいデザイン画をもとに制作させていただきました。
こだわり抜いた曲線で品格ある仕上がりに
私がいつも心を配っているのはユニークネスと品格を両立させること。奇抜に走り過ぎると息の長いジュエリーにはなりづらい反面、どこにでもあるようなものはつまらない。この相反する二つの要素を支えるのは、きっちりとした作りだと思っています。
今回もワックスで立体にしたときの全体像を練り、シルバーの原型でそれを磨き上げて、最終的に18金で仕上げました。
ワックス
シルバーの原型
18金 テクスチャーは光沢
18金 テクスチャーはアンティーク風マット
表面のテクスチャーは光沢とアンティーク風のマットから、後者をお選びいただきました。
ブログに貼るために投下
— Ayano | アントワープ在住ジュエラー (@ayano_jewelry9) 2021年8月23日
表面のテクスチャーは①眩い光沢②アンティーク風のマット、2種類から選べます⭐️
上がマット、下が光沢 pic.twitter.com/PhFhek5d4b
この曲線を理想のラインにするのが想像より大変でしたが、間違えればチープになってしまいそうな口元というモチーフに品格を与えられたと思っています。
そして今回も内側に手彫りで結婚記念日を日本にいる彫り師さんに彫っていただきました。
毎回素敵な仕事してくださって大変ありがたいです…!インスタすごいんでぜひフォローしてな!
https://www.instagram.com/tetori_engraver/
オーダー主様が素敵すぎる写真を撮ってくださったのでたくさん投下します
まじで写真最高か?毎回お願いしたいくらいだわ…(これもオメーの仕事だろという声は一切受け付けません!笑)
この指輪、綺麗に重なるんですよ。全く意図しておらず完成時に発見したのですが、ジュエリーの神が微笑んだに違いない。サボらず愚直に向き合っているとこういうご褒美があるなぁと思います。
今回もオーダー主さま、そして支えてくれる家族のおかげで最高の仕事ができました。感謝しかない!!どうぞこの指輪がお二人の笑顔溢れる幸せな未来に花を添えてくれますように。