こんにちは、綾野です。久しぶりの美術館訪問レポです。
ベルギーに移住してもうすぐ4年という先日、ようやっとベルギーの大英博物館【サンカントネール博物館】@ブリュッセルに行ってまいりました。アントワープからブリュッセルは電車一本で小一時間なのですが、電車代が高いのと言語が違う(フランス語とオランダ語)ため敷居が高く、とはいえブリュッセルでしか手に入らないYO😭というものがあるわけでもなくて(こんにゃくくらい)、アントワープ民的にはなんだかいまいち行こう!という気にならないのです…笑 でもお仕事と語学学校が一区切りついたので重い腰を上げて行ってきました。
こちらの博物館、古代エジプトから近代までさまざまな品が展示されていますが、ジュエラー的見どころはなんと言ってもベルギーにおけるアール・ヌーヴォージュエリーの雄ウォルファースのショップであります。かのヴィクトール・オルタがデザインしたウォルファース最盛期の店舗が再現されております。実際に使われていたショーケースや調度品だけでなく、フィリップ・ウォルファースが手がけたジュエリーや銀器、また博物館貯蔵の同時期の工芸品が一緒に展示されていました。
レポ前編ではこのウォルファースショップの中身をご紹介したいと思います(後半では別室の18〜19世紀ジュエリールームとハートルームをご紹介)。日本語で検索しても記事など見つからなかったので本邦初公開では!?ご期待あれ〜
この美術館、名前めっちゃややこしない?
ベルギーという国の大変そうなところの一つが複数の公用語の存在です。フランス語・オランダ語・ドイツ語の3言語が公用語とされており商品パッケージには少なくともフランス語・オランダ語の2言語の記述が並びます。商業デザイナー大変やん。
公式施設の呼称もまた然り。こちらのサンカントネール美術館、フランス語では【Musée de Cinquantenaire】ですがオランダ語では【JubelParkMuseum】となります。全然ちゃう。さらに複数ある王立美術歴史博物館【Royal Museums of Art and History, Brussels】のうちの一つに当たるそうで公式HPや印刷物ではサンカントネールではなくこちらの名前がこの美術館を指すものとして使われており、それぞれフランス語【Musées royaux d’Art et d’Histoire, Bruxelles 】、オランダ語【Koninklijke Musea voor Kunst en Geschiedenis, Brussel 】となります。
このブログではサンカントネール博物館で統一させていただきますが、これら全て同じ美術館を指すようですのでお間違いなきよう…私はめっちゃ混乱しました!
※私がこの美術館を知ったオランダ語のブログ、ここではJubelparkmuseumと記載されていてどこ?となりました。
場所は凱旋門が美しい公園、サンカントネール公園内になります。この公園には他にも博物館や大型の展示施設がありこれまたややこしいのでご訪問の際は事前に地図チェックしてください。
入って左がアール・ヌーヴォー、右がアール・デコ
ウォルファースショップは本館入って右の2階(ベルギー表記的には1階)にあります。案内の方に「ウォルファースショップはどこ?/Where is Wolfers shop?」と尋ねれば伝わります。
ウォルファースロゴの入った重厚な扉を開けると
ベルエポックの世界にタイムスリップ!こちらのショーケースは1912年から1973年まで実際に使用されていたとのこと。
入って左にアール・ヌーヴォー、
右にアール・デコの品を展示してあります。アール・デコのジュエリーはほぼなく、唯一あったのがこちらでありました。
ちなみにこちらフィリップ・ウォルファースの奥方ソフィー様になります。オパールのネックレス羨ましいですね…!
フィリップ・ウォルファース作のアール・ヌーヴォージュエリーとそのデザイン画!ありがとう!!
それでは本題、アール・ヌーヴォースペースにあるフィリップ・ウォルファースのジュエリーをご紹介していきます。
本展示の最高ポイント、デザイン画と現物を一緒に見せてくれるよ!待ってました!
これが…
こうやで!
このニケさん、仕上がりダントツシャープでカッコよかったです。今日の俺イチを進呈してしんぜよう(誰やねん)
どこの美術館にもあるんちゃう?と言いたくなるくらい頻出するスワンちゃんもお膝元ではデザイン画付き!よく見ると全然ちゃうけど大丈夫?量産型の事情の匂いがする!
スワンとアイリスの櫛、写真がわかりづらくて申し訳ないがこちらも最高でした
百合のバックル2種。図案が最高。
いや〜眼福ですな。この時代の富裕層に生まれてこんなお店でオーダーしてみたかったよね。
ウォルファースではないのですが、こちらの【神秘のスフィンクス像】も存在感を放っておりました。
出典 Mysterious Sphinx | Art & History Museum
兜には戦いと勝利を意味する鷲、それに対して鎧には眠りを意味するポピー、手首には死を意味する蛇が刻まれているというなんとも意味深なファムファタールであります。(ちょっとごめんね〜通して〜のポーズと言ったら怒られますよね。) 死とエロの隠し味がアール・ヌーヴォー、スピッツかよ。
ミュージアムショップにはウォルファースグッズも取り扱いございますのでご来館のご記念にぜひ〜私はもうちょいでアール・ヌーヴォー折り紙(20枚5ユーロ)を買いかけましたが踏みとどまりました。笑
現在ブリュッセルではアール・ヌーヴォーイヤー2023と称してさまざまなイベントが行われております。
私はこのソルヴェー邸(仏 / L'hôtel Solvay 蘭 / Solvay Herenhuis)公開ツアーにいきたいですが40€はたけ〜よ〜 一般公開でいっか
お好きな方はぜひチェックしてくださいませ💌
それでは後半に続きたいと思います!Tot straks!!